調査研究

JALの機内誌「スカイワード」に慶應義塾大学と実施している空港防災の共同研究が掲載されました

このたび、JALと慶應義塾大学 大木聖子准教授による共同研究が、JALの機内誌「スカイワード」に掲載されました。大木准教授は地震学や防災教育の第一人者であり、阪神・淡路大震災の経験をきっかけに地震防災研究を続けられています。

本共同研究は、空港での地震・津波防災力を強化することを目的としており、2018年にJALと慶應義塾大学が連携協力協定を締結して以降、2020年から取り組みを進めています。大木准教授とJAL航空みらいラボが中心となり、空港スタッフを対象に実践的な防災演習を実施しています。演習では、単なる避難訓練にとどまらず、大木ゼミの学生が空港内各所でけが人や高齢者、外国人、車いす利用者など空港利用者に扮し、災害直後のリアルな様子混乱を再現します。参加者は事前にシナリオを知らされないまま、臨機応変に対応することが求められます。

演習は南海トラフ巨大地震や首都直下地震などを想定し、各地の空港で複数回実施されています。1回目の演習で課題を抽出して改善策を検討し、2回目の演習で検証するというサイクルを繰り返し、実践力の向上を図っています。訓練は約20台の移動カメラ、および定点カメラで記録され、それを大木ゼミが学術的に分析し、より効果的かつ効率的な防災計画策定に活用します。
この取り組みはJALグループの安全文化と大木准教授の学術的知見を融合させたもので、全国の空港の防災力強化につながっています。

今年度は、9月に釧路空港で、12月には成田空港で防災演習を予定しております。

空港での防災演習後にふりかえりをしている様子

また、「産・官・学・NGO連携:JAL-宇検村-伊藤忠-上智のコラボの中心に」というテーマでパネルディスカッションにも参加しました。上智大学と2022年1月21日に締結した産学連携協定の下、自然環境や伝統文化を保全しながら観光を通じて地域活性化を実現する奄美モデルの構築に向けた共同研究について報告しました。各参加者はそれぞれの強みを生かすことの重要性や、企業が営利活動を超えて環境保護に取り組む理由について活発に議論しました。

JALと慶應義塾大学大木ゼミは、今回得られたノウハウを全国の空港へ展開することで、災害時の重要拠点である空港における地震や津波災害への対応・防災力の強化を目指してまいります。今後は、効果的な訓練のあり方を開発しつつ、得られた成果を基に空港ごとの行動指針(アクションカード)を作成するなど、より確実かつ迅速な対応ができる体制づくりを進めていく予定です。JALと慶應義塾大学の連携による先進的な防災研究は、空港の安全確保にとどまらず、社会全体の防災力向上に向けた重要な一歩となっています。

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